稲田堤にある天国「たぬきや」にお別れをしてきた。
JR南武線の稲田堤駅。そこに「たぬきや」というお店があるのをみなさんご存知でしょうか?私は2015年の秋に初めて訪れたのですが、「ここは天国ですか?」と思うほど素晴らしい場所で感動して帰ってきました。その翌年の2016年もまた気候の良い初夏の日に訪れ、また翌年来ることを誓ったのですが、行けないまま1年がすぎてしまいました。
そして、今年。「そろそろたぬきやの季節だなー!」と思っていたところ、hatocoさんが声をかけてくれたので、はりきって参加することにしました。たぬきやの開店時間は午後12時。しかし、私は11時過ぎに稲田堤駅に到着していました。なぜそんなに早く向かったかというと、たぬきやが10月28日で閉店すると知ったからです。Twitterで調べて見ると、どうやらかなり混雑しているようでした。
私たちがたぬきやに到着してしばらくすると、お店のオーナーさんがやってきました。なんとこのお店、高齢の女性が一人で切り盛りしているのです。以前は「おばあちゃん」という感じに見えたけど、凄くキビキビしていてちょっとびっくり… 初めて見た開店準備は驚くほどスムーズでした。ひとつひとつの行動に無駄がない!
キャッシュオンスタイルのため、お客さんはみんな注文の列に並びます。気がつくと後ろにものすごい行列ができていました。開店前ですでにこの状態。
営業時間になると「営業中」の旗が立てられます。電車から見えたら気になるだろうなー。
営業が始まったからといって、中にどっと人が押し寄せることもありません。ここで焦ったら勿体無いと感じるほど、ゆったりとした時間が流れています。
開店から30分ほどが経ち、やっと私たちが注文できる番に!この混雑っぷりに動じることも無く、淡々と作業を続けるオーナーさんが輝いて見えました。料理を作るのも一人、お会計も一人、何から何まで一人なのです。素人の私は焼きそばが焦げるのではないかと気が気ではありませんでした。
もう何を頼むかということよりもこの光景を目に焼き付けることに必死です。写真を撮るたびに「ふぅー!めっちゃいい!!!」と一人で興奮していました。どこを撮っても絵になる!
一人で興奮しすぎたせいで、いつの間にやら呑む準備が整っていました。「運ぶの手伝います!」と言ったくせに運んだ記憶が全くありません… またやっちまった!
そんな私のどうしようもない部分も笑って済ませてくれるメンツだったので、ゲラゲラ笑っているうちに失敗も忘れてしまいました。ここ最近、話したくて仕方がなかったことを「はい、続きは!? まだ終わってないでしょ!」と最後まで聞いてくれてとっても嬉しかったです。
そして、何よりもこの景色!青空の下で気の合う人たちとほろ酔い気分で過ごすひとときは最高です。たいしてお酒も飲めない私が雰囲気だけで惚れ込んでしまったいいお店!お酒が進むにつれて、多摩川だったはずのものがだんだん三途の川に見えてきます。やっぱりここは天国かな。
そんなわけで、あと1週間で閉店してしまうたぬきや。気になる方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?私は今回が最後の訪問となってしまい、かなりの喪失感に襲われています。このお店の代わりになる場所がどこかあるだろうか… どなたかご存知でしたら是非教えてください!